2020年02月03日

居場所づくり入門➀ なぜ〈居場所〉が必要か? 学び合い報告

よりみち文庫共同代表の滝口克典さん講師として来てくださり、庄内初開催となったよりみち出張講座「居場所づくり入門」の1回目が1月29日(水)に開催されました。
滝口さんは山形市で16年に渡って若者の居場所を作ってきた、元ぷらっとほーむ共同代表です。
お会いしたことのなかった私は、人から聞いた話や、「ぷらっとほーむ通信」、「よりみち通信」を読んだ感想から、頭の切れるどんな豪傑がいらっしゃるのかと、ドキドキしていました。
ひろばにやってきた滝口さんは、赤い眼鏡がチャーミングなとても穏やかな方。
16年の実践者としての経験に裏打ちされた熱く理知的な思考から、的確な言葉を丁寧に紡いで、真っ直ぐに相対して話されます。
その様子に私が受けた印象は「安心感」そして「信頼感」でした。
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社会学の視点から、〈居場所〉が必要となった時代背景や、人はなぜひきこもりになるのかを、「カフカの階段」の概念を使って、説明してくれました。
・かつて不登校・ひきこもりは個人の心の問題とされてきたこと。
・問題の原因は、個人ではなく、取り巻く社会のほうにあるということが、30年以上かけてようやくクリアになってきたこと。
・仕事(職場・学校)→ 地域 → 家族 → 住まい → お金 という順に、ボールが1段ずつ転がり落ちるかのように、段階的に社会的排除されていった結果が不登校や、ひきこもりに至るということ。
・それは「つながり」が徐々に断絶されていくということであること。
・「支援」とは、その段差をもっと小刻みにすることであり、滑らかなスロープにすることであり、そもそもの段差自体を低くするということであること。
・「居場所づくり」とは、「その人の立場・身分・環境などを問わず受け入れ、承認してくれる場」を作ることで、切れた「つながり」を復活させる、あるいは新たに作るものだということ。
・それは「物理的」な居場所に限らず、「機能としての居場所」を作ることだということ。
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「皆さんには、安心して、弱音をはける場所がありますか?」
滝口さんが参加者の皆さんに質問しました。
「本音ではなく、あえて『弱音』です」
滝口さんはそう申し添えました。
すると、参加者の皆さんからは、「家族」、「夫」、「友達」という声が上がりました。

カフカの階段の一番上にあるのは「仕事(職場・学校)」の段です。
個人の生活の中で長い時間を過ごす職場や学校に、「弱音」を吐ける関係性を築けている。
そんな人のほうこそ少ないのではないかと私は思いました。
ならば、不登校もひきこもりも、自分にも、自分の子どもにも、いつだって起こりうること。
その時に、今、庄内ではどんな居場所があるのだろうか。

カフカの階段の2段目にあるのは「地域」の段です。
午前中、明日のたねのライター養成講座の様子を取材していた滝口さんは、
「ここも〈居場所〉だと思いました」
と言ってくださいました。
今日参加した方の中にも、ご自分の活動として居場所づくりをしていたり、すでに定期的に居場所を開いている人達もいらっしゃいました。

「仕事(職場・学校)」の段から転げ落ちた人が、「地域」の段で留まれるように、たくさんの「居場所」がある庄内地域になったらいい、そのために自分ができることをしたい。
私はそう思いました。
他の参加者の皆さんもそう思ったんじゃないかな。
滝口さん、ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

2回目は2月13日(木)19時からです。
山形の実践事例をもとに、〈居場所づくり〉とは? について学び合います。
2回目からの参加でも大丈夫です。どうぞご参加ください。
                  (スタッフ 愛)
posted by TOMONIスタッフ at 15:15| お知らせ